2024年7月31日(水)~9月26日(木)
筑波大学 大学会館アートスペース
つくばエクスプレス「つくば駅」からバス約10分「大学会館前」下車
9:00-17:00/土日祝休館(および8/13-16休館)/入場無料
芙術館に行き作品を鑑賞するとき、どのような意義を見出すことができるでしょう。わたくしたちはその意義の一つとして、「作品を細部まで観察すること」があると考えました。細部[細=sai] とは、 例えば絵画のばあい色彩[彩=sai]を構造化している物質としての絵具の粒度や彩色行為の結果としてできた凹凸などです。これら作品をなす要素は、複製画像をとおしては正しく認識することができず、実物を鑑賞したときのみ得ることができるものです。そして、このような実物と複製画像や複製物との決定的な差異[=sai] は、作品そのものから受ける印象を大きく左右するものです。
本展の展示作品の中には多くの細い線[細=sai] が散りばめられています。この細い線の観察をとおして、作品の細部[細= sai] まで鑑賞し、より奥深い絵画の世界をこ鑑賞ください。
出品作品
水見剛《残影》 1996 年 紙本着色 100×100㎝
吉田敬子《漂泊》1991 年 紙本着色 116.7×116.7cm
森谷明子《七曜の歌》1991 年 紙本着色 116.7×116.7cm
本展覧会の企画について
本展覧会は、博物館学芸員資格に関わる授業の総仕上げである「博物館実習」のプログラム「学内実習」の成果発表として開催するものです。筑波大学芸術系では、芸術専門学群および大学院の卒業生修了生の優秀作品、および退職教員などからの寄贈作品を収集し続けており、その数は600点近くに及びます。博物館実習ではこれらの作品を活用した小企画展を2018年度より開催してきました。コレクション研究は美術館の根幹をなす活動です。今年度は課題として指定された3点の日本画作品を基に、議論を重ねて展示のコンセプトやタイトルを設定しました。学生は各作品を担当する班に分かれ、展示に向けて作品研究を深め、鑑賞ツールの作成に取り組みました。展覧会の顔となるポスターも学生の作成によるものです。手作りの小さな展示ではありますが、成果をご覧頂けましたら幸いです。
博物館実習2024 芸術系受講者
磯部知宏、栄前田愛香、大島彩那、岡田文、唐澤依緒里、川島絢子、 川名泰暉、川端夏凛、岸創哉、佐々木陽登、本田穂ノ美、村嶋理子、安田朱里、山川実羅乃(五十音順)
授業担当教員 (いずれも筑波大学芸術系) 寺門臨太郎、林みちこ、武田一文
ポスター・フライヤーデザイン:栄前田愛香