筑波大学芸術系総合造形領域の小野養豚んによる豚の立体造形のインスタレーション作品展を筑波大学大学会館アートスペースで開催中です。
小野養豚ん「Piglicious」展
2018年10月2日(火)-11月3日(土)
筑波大学大学会館アートスペース
9:00-17:00  (最終日15:00まで) 日曜休館 入場無料

撮影: 武石早代 モデル: 永濱佑子 設営協力:阿片陽介、斎藤太一

小野養豚んは、実家が養豚場であり、現在まで人間の社会を豚に投影したアイロニカルな表現や養豚場のありようを作品化し、命を食べることをテーマとしたリアルな表現、豚を自刻像とした表現など、一貫して豚を作品のモチーフとしてきました。
この展示は、” Pig ”と“ Delicious ”をかけた造語” Piglicious ” を展覧会名としました。「豚は美味しい」という意味を込めたタイトル名です。昨今ではペットとしての豚ちゃんの人気がありますが、その一方で食されていく豚さんがいます。作者にとってペットの豚ちゃんが夢の中にいる存在で、食肉の豚さんが現実の存在として感じています。このような夢と現実をテーマとした、アンリ・ルソーの「夢」(1910)をオマージュしました。花々や木々、月の光の中に戯れ、愛でられる豚ちゃんをメインに配置し、食肉のために屠殺されていった豚の魂として、大きめの豚の頭部と黒い豚、天に昇っていく豚をインストールしました。ルソーの絵の中には、赤いソファに横たわる女性ヤドヴィガが描かれています。このインスタレーション作品にも赤いソファを設置し、ここに鑑賞者が横たわり、絵の中に存在するヤドヴィガになって、ペットの豚ちゃんと食される豚ちゃんに挟まれると作品が完成するというコンセプトです。鑑賞者参加型のインスタレーションです。

アートスペース展示風景

大学会館食堂からの眺め